年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
35.
「そういえば、さっちゃん。式に呼びたい人ってどのくらいいる?」

 実家から帰った次の日。
 2人とも目が覚めたのは昼前だった。まぁ……結局遅くまで寝かせてもらえなかったっていうのもあるんだけど。

 睦月さんが淹れてくれた濃いめのミルクティーだけ飲んで、そこから2人で買い物ついでにかんちゃんの散歩に出かけた。そして今はテイクアウトしてきたお弁当を頬張りながら、テーブルに置いたタブレットを眺めているところだ。画面には華やかな結婚式場が映し出されていて、どこに見学に行こうかと話をしていた。

 で、不意に睦月さんにそう尋ねられたのだ。

「えーと。両親に真琴、あと祖父母でしょ? あとは香緒ちゃんと希海さんと武琉君。響君は難しいかなぁ。できたら明日香ちゃんと健太にもきて欲しい。……それくらい。睦月さんは?」

 指を折りながら数えてみたけど、全員来てくれてもたったの11人だ。元々友達は少ないと自覚はしているし、知人は多くても式に呼ぶほど親しいかといえばそうじゃない。

「俺も、父さんと朔の家族。さっちゃんと被ってるからあとは司と瑤子ちゃんかな。……ニューヨークの友人はさすがに気軽に呼べないしねぇ」

 睦月さんは残念そうにそう言ってからまた続けた。
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