【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)

二十三

 みんなは『お幸せに!』と楽しそうに笑い、酒を酌み交わして満月の宴会は終わった。グレは果物をたらふく食べて寝てしまい、グルは夜が明けるまで精霊獣の姿ままだと言った。

 夜明け前。みんなと広場の後片付けをして、家に帰りベッドに潜る。

「悪いな、エルモ。ベッドを狭くして」

「気にしなくていいよ。グルさんは温かくて、モフモフで気持ちいいから」

「そうか? それなら良かった」

 クイーンサイズのベッドはいつもより小さく感じた。グルの腕の間に潜り込み"グルルッ"と低く喉を鳴らすグルの頬にスリスリした。

 もう一度、もう一度とスリスリしようとしたのだけど。

 グルに「もう、エルモは寝ろ。バイトまで余り寝られないんだから」と、スリスリをもらった。



 翌日。目覚めると目はしょぼしょぼで寝癖がすごかった。

「ふわあぁ~っ……眠っ」

「……俺も眠い」
「目が開かん……」

 三人とも寝不足だ。
スリスリの後…………私だってすぐに寝ようと思ったよ。
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