干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~

弟 野田朔人

 美琴達は装飾に使用するグリーンを確認するため、会社の温室に向かっていた。

 温室にはレンタル用に、大小さまざまな種類の植物が育ててある。


「一応、会社にあるグリーンのリストは作っといたけど、実際に見た方がイメージ湧くしね」

「東さんすごいですね!」

 美琴は歩きながら、植物の名前と写真がついたリストを、ぱらぱらとめくった。


大元(おおもと)のデータは社内のだけど、実際リスト作ったのはタッキーだよ。ね!」

 東が後ろを振り返ると、滝山は照れながら下を向いた。


 すると突然、前を歩いていた副社長が足をぴたりと止める。

「どうしたんですか?」

 美琴は、その背中の脇から顔を覗かせた。


 ――あれ? 誰だろう……。


 目線の先、にこやかな笑顔で立っていたのは、私服姿の高校生くらいにも見える若い男性だった。
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