俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
事務所に戻ると雅也からの質問攻め。
「あの、着物の子が間宮果穂ちゃん⁉︎
何でこっちに来てたんだ?何で紹介してくれないんだよ。」

他のスタッフもいる為あえて無視。

「今日は俺、早く帰るから巻きで行くぞ。」
そう秘書の新田に伝えて足早に店舗を後にする。
夜8時前、時計が気になり何度も見る。

そろそろ果穂から連絡が入らないかと、スマホが気になって仕方がない。

「社長、僕も一緒に上がります。もう仕事になりそうもないので。社長が話してくれないからって俺が質問攻めにあったんですから。」
うんざりした顔で新田が言う。

「面白半分で首突っ込んでくるだけだから、適当にあしらえよ。」
早く帰らないとアイツに捕まりそうだな。

そう思いながら帰り支度をする。

スマホが震えて急いでタップする。

「お疲れ様。」

『お疲れ様です。お仕事、終われそうですか?』

「丁度、今片付けてたところ。
道が混んで無かったら15分くらいで行けるから、待ってて。」

『はい、ホテルのロビーで待ってますね。
私、待つのは得意なのでゆっくり来て下さい。』

「分かった、じゃあ後で。」
待つのは得意って?どう言う事が気になるが、新田に後は頼むと伝える。

とりあえず雅也に見つかる前に急いで、会社を出る。
金曜日だからか、やたら道が混んでいる。

出来るだけ果穂を1人にさせたくないと気ばかり焦る。
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