俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

『もしもし、お電話変わりました。果穂の父です。
すいません息子が、本当にシスコン過ぎて申し訳ないです。気にしないで下さい。』
どうやら、父が見兼ねてスマホを代わってくれたらしい。

『自分としては、果穂が幸せならそれでいいので。
あと、うちのみかんに目を付けて頂きありがとうございます。部下の方から何度かお電話頂きまして、うちとしては無理ない範囲で出荷させて頂ければと、思っておりますのでよろしくお願いします。』

「ありがとうございます。
みかんについては、プライベートと重なってはいけないと思い、あえて私は干渉せずに交渉させて頂きました。
また、その事につきましてもご挨拶に伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。」

『貴方の誠実さは伝わっておりますので、お気遣い無く。では、これで失礼します。
果穂の事よろしくお願いします。』

「こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。果穂さんに代わりますね。」
父のおかげで何度か穏やかに電話が終わってホッとする。

「お父さんありがとう。
もう、お兄ちゃん信じられないんだけど。」

『果穂もごめんな。
過保護な兄を持ったばかりに、24になっても自由に恋愛も出来ないなんてな。
これからは、お父さんがちゃんと亮太を説得するから、果穂は気にせず堀井さんと仲良くしなさい。
ほら、デート楽しんでおいで。じゃあな。』

「ありがとう、お父さん。お土産買って帰るね、じゃあね。」
電話を終えてはぁーーと、ため息をつく。
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