セカンドバージン争奪戦~当事者は私ですけど?
episode⑥

バーチャル試着の試行と口では言い合っていたが、それに平行して‘virtual fitting ’‘virtual try on’‘virtual trial’‘virtual dressing’など名前を決めることから、ホームページのどこに位置付けるのかという細かなことまでひとつひとつ決めていく作業はとても大変だった。

私のやりたい企画広報がここまで詳細イメージを出来ていた訳ではないけれど、それが目の前に広がるようで忙しくも楽しい。

ヨウはヨウにしか出来ない仕事を抱えているが大変そうな様子を見せることがないのは、素晴らしいと思うし尊敬出来る先輩だと思う。

今日は駅ナカで買ってきたお弁当を並んで食べながら、尊敬すると伝えると

「じゃあ、デートしてくれ」

と返ってきた。

「仕事で尊敬出来るって言ったら‘じゃあ’ってくるんですか?何か違う気がする…」
「大変な時こそ、好きな子とデートだろ」
「皆が外ランチだと思って、すごいこと言ってますね」
「もう毎日顔を合わせて時は熟したってところじゃね?」
「だから、尊敬はしてるって」
「もう一歩、遠慮なく踏み込んで来いよ」
「別に遠慮じゃないし」
「楽しいデートも無痛快感ももれなくセットでお付けします」
「…いちいちソレ言うけど…聞いてて恥ずかしい」
「想像し過ぎじゃね?欲求不満か…」
「違うわっ」
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