キミと、世界の果てまで。



「―――では、次のニュースです」




いつもと変わらない、朝。

いつもと変わらない、光景。



あたしは今日も学校に向かう為に、ダイニングテーブルで食パンを胃に詰め込んでいた。


溶けたマーガリンの上に乗せる砂糖は、甘党のあたしにとっては最高のご馳走。


こんなに美味しい食パンの食べ方があるのだろうか。




「お姉ちゃん、その食パンよく食べられるね。あたしだったら甘すぎて絶対にムリだよ」



「いいじゃん。人にはそれぞれ好みがあるのよ!」




それでも尚手を横に振って、あたしの食パンの食べ方について非難する朱里の手元には、アイスコーヒーが握られている。


しかも、ブラック。


甘党なあたしは、コーヒーは砂糖もミルクも思う存分入れなければ気が済まない。というか、それじゃないと飲めない。


苦いモノが苦手なあたしは、どうしても中学一年生でブラックコーヒーを飲める朱里に、疑問を抱いてしまう。




「お姉ちゃん、コーヒー飲めないなんて損だよ!毎朝オレンジジュースって本当にお子様…」



「あーかーりー!調子に乗らないでよ、このガキがっ…!」




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