すき、好き、もっとスキ。



「なぁ、どーかした?」



あたしの空いた隣の席にドカッと真山君が座った。



「へ? べ、別に」

「……ふーん」



少し間をあけて呟くと、そのまま目を瞑ってしまった。



ちょ、ここで寝ちゃうの?

ここって一応ガイドの席なんですけど。


わざわざ、自分の席から移動してきて寝る必要なくない?

真山君って本当、何考えてるのかわかんない。



生意気で偉そうで……璃久みたい。

……やっぱり、あたしって何でも璃久と比べちゃうんだなー。



あー、もう!

今は仕事、仕事、仕事、仕事、仕事!



呪文のように頭の中で繰り返し、
璃久の事を考えないようにした時、

ふと気付いた。


あ。
もしかして真山君、心配してくれたのかな?

あたし、そんなに顔に出してたのかなぁ。



はぁー、駄目じゃん、あたし。

何か全部、駄目駄目過ぎて、嫌んなるー。



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