ケイカ -桂花-
後で面倒になるから
朝イチで、廊下で宮崎を呼び止め、放課後屋上で待っている、と言った。

宮崎は最初、みんながいるところで声を掛けられた事に驚いていたが、私の目を見ると何かを悟った様に「分かった」と静かに答えた。

確かめずにはいられない。

全てを。



放課後。

カバンを持って近づくAに言った。

「先に帰ってて、呼び出し受けてるから。---宇宙人に」

ほんの少しだけ間を置いて、

「最悪だねー」

といつもの感じで言った。

だけど、少しだけいつもとは違っていた。

Aの目の奥で微かな光がキラッと光った、気がした。

私に対して、初めて心を動かした、初めて興味を持ったみたいな輝き。

その光は小さいけれど、何かを予感させるには十分だった。

私たちの関係は変えられるのかもしれない。
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