【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~

姿のあるモノ


「何だってベリルはあちこち
うろうろするんだろ。」

数日後、ノインは
アメリカのサウスダゴタの
平原にいた。
アメリカって、
ヨーロッパ以上に、街と街の間に
何にもない。
そして、都市部以外は
広大な田舎である。

「何だってわざわざこんなところに。」

ベリルは旅行好きで、時折
何もない場所で数日過ごすこともある。
・・・らしい。

「さすがに200歳にもなると、
あらゆるところに行きつくして、
今度は廃墟にはまっているのかしら。」

もしかしたら、聞こえるかも。
思ってでっかい声で独り言を言った。

何もない、というか、ここには
廃墟があった。
街には住めず、胡散臭いことを
している人間の住処となっているようだ。
しかし、物騒この上ないところだ。
どこから見てるんだか分らない
視線がグサグサ刺さってくる。
いきなり背後から襲ってきたり
しないでよ。
正当防衛で撃っちゃうからね。


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