ロシアンルーレット【コミカルアクション】
「良治くん、俺…やっぱり愛なんかいらない。揺ぎ無い真実の愛なんか、この世に存在しないんだ。」


 顔をグシャグシャにしてそう言って、俺より少し小柄な良治の左肩に顔を埋めて泣き出した。


「お前…第一声がそれかよ?」


 良治は俺の背中に左手を回して撫でるように摩りながらも、呆れたように呟いた。


「良治、頼みがある。」


 良治の肩に顔を伏せたままくぐもった声で言った。


「何だよ?」


 溜め息交じりに答える。


「今すぐ、お前の車で送って。」






 そうして俺は、誰かに呼び止められるという、とんでもなく面倒な事態に陥る前に、逃げるようにその場を去った。







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