偽りの結婚

歓迎されない王子





次の日―――


早速、スターン家の屋敷に来ていた。

スターン家については、シェイリーンが気になり始めた頃に調べ上げていた。



調査結果によると、この屋敷は、故ハロルド・スターン伯爵所有の屋敷で、現在は後妻のミランダ・スターンが所有している屋敷。

この屋敷に、後妻のミランダ、連れ子のイリア、そして先妻の子のシェイリーンが住んでいたという、なかなか複雑な家庭だった。

まだこの屋敷の主がハロルドだった時は、伯爵家に相応しく、綺麗な屋敷を保っていたそうだが、ハロルドが亡くなってからは見違えるほどに様変わりしたそうだ。



それは、ミランダとイリアの金遣いの荒さが原因だったとか。


そして、シェイリーンは二人のせいで苦しい生活を支え、本来使用人がやるべきことを一人でこなしていたという。

その報告を受けた時は、頭に血が上りそうな感覚を覚えた。



しかし、そんなミランダとイリアのことをシェイリーンはかけがえのない家族だと思っているようで…

ならば、自分にできる事は何だろう…と考えた時に浮かんだのがこれだ。



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