隣人の狂気
自分の部屋でタバコを吸いながら、テレビの上にうっすら積もった埃を眺めつつ思う。

俺はきっと殺人犯になる事に、何かを期待していたんだと思う。

破壊衝動のような物だ。

普通すぎると思える自分を壊したい。

惰性で続く毎日に変化を加えたい。

当たり前に享受できる平和を乱したい。

そんな所だろう。

やってしまえば確実に変わるはず。

そして二度と後には引けない。

戻れない。



…はずだった。

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