隣人の狂気
今日まで俺が逮捕されなくて、おそらく手配さえされてない大きな理由は雨のおかげだ。多分。

降った量。

そのタイミング。

そのどちらも俺のためとしか思えない程だった。

あの量あのタイミングでなかったら、とっくに俺は捕まっていたかも知れない。

あの日まで雨は『どちらかと言えば嫌いじゃない』って程度だった。

あの日以降は『はっきり嫌い』になった。

事件の事を思い出しやすいから。

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