いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]

積み重なる心労

「お前もいちいち相手すんなよ。あいつらは適当にあしらっとけ」

「相手してたわけじゃ…」

ちくちくと小言を言われながら久世玲人と一緒に教室に向かうと、クラスの皆が一斉に好奇の視線を向けてきた。

しかも、少しだけどよめいている。


……何?

久世玲人と一緒だから見られてるの…?いやでも、見られすぎじゃ…。

居心地悪い視線を感じながら教室に入ると、ふと、気付いてしまった。


あ。

ピタリと足を止め、そーっと視線をおろしてみた。


……し、しまったあぁぁぁつ!!


久世玲人に手を引かれていたままだった!!

これじゃ、端から見たら、仲睦まじく手を繋いでいるようじゃないかっ!!
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