私こそ光る☆君~グランプリ編~
アイドル・オブ・ザ・イヤー
ノミネート
それは11月初旬。
空気が肌寒く、本格的な冬の訪れを感じ始めた日のこと。
『……何ですか、それ?』
「だ・か・ら、“Idol Of The Year”よ」
『だから何なんですか、それ?』
只今、事務所の社長室にて高槻社長と押し問答中であります。
遡ること十数分。
事務所でのダンスのレッスン後、志乃さんに社長室に私だけ呼ばれて首を傾げながら向かった。
扉を開けた瞬間、目に入った社長の姿が数ヶ月前と全然変わってなくて、微笑ましいなぁなんて思っていた。
それから、デスクの端に置いてあった妙にダレた感じのうさぎのぬいぐるみと目が合って、その表情が何だか可笑しくて社長の話そっちのけでクスクス笑ってたら、何やら耳慣れない単語が聞こえてきた。
そして現在に至る。
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