私こそ光る☆君~グランプリ編~
「あなた本当に知らないの!?」


『すみません……』


驚かれても、知らないものは知らないのだから仕方がない。


「そんなに驚かなくてもいいでしょう?

世の中にはこっちの業界に興味のない子だっているんだから」


それまで社長の横に控えていた志乃さんが口を挟む。


「でも!!

この子はまだまだ経験が浅いとは言え、アイドルなのよ?

そのアイドルが知らなくてどうするの?」


「それもそうね……」


『ううっ……』


返す言葉もございません。


どうやら、その“アイドル・オブ・ザ・イヤー”とやらは、その手の業界ではかなり有名なものらしい。

名称に“アイドル”と入っていることと、高槻社長の言動からアイドル関連の何かであることは間違いない。

デビューして半年で、やっと一人前になれたかなぁって思ってたけど、まだまだだったんだ……。


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