それからしばらくして屯所に戻った。
書状を渡すからと、容保の側近、内藤も共に来ているが。



「内藤様、こちらが浪士組の屯所でございま──」



和早は息を呑んだ。
永倉たちが稽古をしている場面にばったり遭遇したのだ。

まさかの、上半身裸だらけの集団に。



「お。帰って来たな新崎! 急にいなくなるからみんな心配してたんだぜ……って、その人ダレ?」



「……松平容保様の御側近、内藤様です。浪士組に案内せよとのことで」



怪しまれないために、偶然出会ったように装った。

一端の侍が内藤のような者と歩いているというのは、普通に考えればありえないことだったからだ。



「うお、俺はそんな偉い方の前でこんな格好をさらしてしまったのか!?」

「新八、ひとまずお前は土下座だ」

「あ、ああ、そうだな…って俺だけ!?」



ここにきても彼らは彼らの空気を崩さない。
芯が通っていると言えば聞こえは良いけれど、和早は内心気を揉んだ。



「…新崎君。君の言った通り、非常に面白い輩だな。実に愉快」

「お気に召されたのならば何よりです」


一時はどうなることかと思ったが、なかなか印象が良いようで何よりだ。

これも、近藤一派の人徳なのだろう。



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