CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=

2. Te-Jung & Miri



俺の名前はテジュン。

って皆はもう知ってるよな!?

在日韓国人で、親父は韓日物産って言う会社の社長さん。

親父は二代目。

じいちゃんが終戦後、始めた商売なんだけど、親父が跡を継いだ時からどんどん会社は大きくなっていったんだ。

日本在住の在日韓国人に通販本を郵送して、一万円以上注文したら、送料無料ってのをやったら大当り。

今じゃ日本全国に郵送している。


夏休みのある日、親父から一本の電話が…


『テジュン、父さんのデスクの上に契約書の入った茶色の大きな封筒が有るんだけど、忘れてしまったから持って来てくれないか?

表書きに木村食品って書いてあるやつだから直ぐに分かると思うんだけどさ…』

「分かりました。

でも、昼頃に成ると思いますが、それで良いですか?」

『あぁ、ダイジョブだ。

3時に先方の社長さんが来て商談をするから、それまでにその契約書が間に合えば良いからな!』

「分かりました。
それでは、昼頃に!」

と言って電話を切った。


俺は携帯をポケットに仕舞い、自分の部屋を出て親父の書斎に入って行った。

封筒は直ぐに見つかった。

俺は、その封筒を手に取り書斎を出た。

封筒、バイクのキー、ヘルメット、財布、携帯などを全てリビングのテーブルの上に置いてから服を脱いでシャワーを浴びた。

今日は、って言うか朝の5時から起きて今までずっとバイクの整備をしていたのだ。

オーバーホールしてたエンジンをクリーニングかけて、プラグやオイル、ガスケットも交換。

それを今朝早くから組み上げ、漸くフレームに取り付けが完了して、配線を繋ぎ、アクセルワイヤーをキャブレターと連動させて、タンクを乗せてチューブを接続、全てが先程終わったところである。

エンジンをかけてみたが、異常も無くきれいに吹き上がる。

これ実は俺の趣味で,小さい頃はポケバイ(ポケットバイクの略)のレースに出たりもしていた。

その頃から自分のバイクのメンテナンスは自分で出来る様に勉強していた。


あれから8年、今は大型自動二輪の免許と普通免許があるが、車よりバイクの方が好きだ。

今乗っているのは、リジットショベル1340CCだ。

このバイクは1999年型のハーレーダビットソンだが、かなりの改造を施しているので、俺の小遣いの殆どを注ぎ込んでいると言っても過言ではない。
< 80 / 300 >

この作品をシェア

pagetop