あひるの仔に天使の羽根を

・惑い 桜Side

桜Side
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私達は、芹霞さんの言うままに黙々と白銀の迷宮を直進して行く。


何の力を持たない芹霞さんにこの場を任すのは、無謀な試みだと思っていたけれど、

何の力をも無効化させるこの場であるならば、逆に一般人である彼女の存在こそに効果があったのか。


芹霞さんの選ぶ道はどれも正しかったらしく、

煌の嫉妬の象徴である皹が入った鏡とあの腐れた血を見ることはない。


両脇に惑う私が延々と伸び続けているが、今ならそれが虚像だとはっきり言い切ることが出来る。


私達は正しい道を歩いているとはっきり言えるから。


櫂様も煌も、顔色が悪い。


思い切り芹霞さんに無視されているからだろう。


煌は虚勢を張って明るく振る舞っているつもりだろうけれど、完全に空回っていることは気づいていない。


櫂様は、玲様と共に居る芹霞さんをじっと見つめるだけで口を開かない。


私には判らない。


芹霞さんが、

煌はともかく、どうして櫂様までも拒むのか。


あの時――


櫂様と芹霞さんが抱き合う姿を見た時、


全身に鳥肌が立った。


私には刺激的すぎた。


男女の睦み合いという状況を覗いたからというよりは、


櫂様が行動を起こして、愛しそうに芹霞さんをその胸に抱き、

そして芹霞さんが嬉しそうにしていたことに対して。


それは性的に興奮したというよりは、

ありえない状況に動転したような心地で。


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