舞風─君をさがして─

新たなる使命

 私たち三人は教室に向かって歩き始めた。



ここ薄桜学園高等部は去年まで『男子校』だったりする。
今春から共学になったとはいえ、まだまだ男子の割合の方が高い。
女子率はたぶん一割にも満たないと思われる。

だから私にとっては異性でも平助君と沖田さんは大切な『友達』なんだ。



ガラッ……


「お前ら三人、揃いも揃って遅刻とはいい度胸じゃねぇか」

教室の扉を開けるとそこには、担任の原田先生が怖い顔で私たちを睨んで
いた。
しかも片手には『竹刀』持ってるし……

「俺が何の教科担当してるか分かってるよな?」

「保健体育だろ、しかも根っからのスポーツバ……カ」

平助君、そこまで言ったらまずいよぅ。

「あ~あ、言っちゃった」

沖田さんも呆れ顔で見てる。


「だ―れ―が―スポーツバカだってぇぇぇ!!!!!罰としてグランド十周!!!走り終わるまで戻ってくるなよ」

グランド十周も……そんなに走りきれるかな。

「マジで?めんどくせ―!!」

「平助、お前だけ二十周でもいいんだぞ」

「冗談きついぜ、左之さん。分かったよ、走ればいいんだろ、走れば」

というわけで、
私たち三人はグランドまで走るはめになったのでした。
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