ありのまま、愛すること。

神様に選ばれた島、屋久島

最初に屋久島を訪れたときの感慨を、私は一生忘れることはないでしょう。

2000年の春のことです。

世界中を回って大自然の風景写真を撮っている、写真家で友人のテラウチマサトさんに、

「世界でいちばん美しいところはどこですか?」

とたずねたとき、彼はこう言いました。

「それは屋久島ですよ。屋久島を知らないのは、所詮それだけの人生です」

そんなすごい言い切り方ができるものなんだと驚いたんですが、そう言われれば、私の好奇心が動かないはずがありません。

「一度、ご一緒しましょう」ということになり、彼と私、そしてそれぞれの子どもの計5人で、2泊3日で向かうことになりました。

そこで見たのは、妖艶に光る月、満天の星、カヌーから眺めた、海から昇る大きな太陽や悠々としたウミガメ。

夜になると、その日は新月で、二人の息子と3人で真っ暗闇のテントのなかで寝ました。そうした時間を、いまも決して忘れることがありません。

神様があの島を選んだとしか言いようがないんです。




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