俺様王子の秘密

続・真崎悠斗とは?

【緩奈side】

そのあと、どうやって教室に辿り着いたか、あたしはよく覚えていない。

気付いたら、中学から付き合いがある親友、美保が目の前にいた。

「どうしたの~? 入学式なのに、なんかテンション低いね」

「別に~。ただ、超疲れた……」

まだ入学式も始まっていないのに、あたしのテンションはガタ落ち。体力はボロボロ。思考は停止。最悪の入学式になりそうだった。

「まぁいいけど。あたしにまで負のオーラ回さないでよね? なんか、あんたといると縁起悪いわ……」

「は!? ちょっと待って。ここは何も言わず、ただ親友のそばにいるのは友達ってもんでしょ? なのに、美保はこんな状態のあたしを置いてくワケ?」

「誰もそんなことは言ってないけどさ……。なんか、近づきがたい」

苦笑する美保。
美保は、一言で言う美人だ。

長身にすらっとしたスタイル。腰まで伸ばした髪は、真っ黒で。

あたしのほうが、近づきがたい存在、のはずなのに。

「ったく。緩奈はホンット可愛い♪」

美保は、いつもあたしを褒めてくれる。

そういうところ、すごい大好き。

「まぁ、これから楽しいスクールライフが始まるよぉ? 噂では生徒会長、カッコイイらしいし♪」

あー、生徒会長ねー……。
そう言えばあたし、なんか命令されたような……。
まぁ、どうせあいつの冗談でしょ。1年生が生徒会長って、全然シャレになんないし。

勝手に自分勝手な解釈をしたあたし。気楽だなー。

「あ、そろそろ入学式始まるよ? 体育館行こ」

「あー、うん」

そう言って、あたしと美保は教室を出た。

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