俺様王子の秘密
生徒会室の秘密
そして、今に至る――。
男の子は相変わらず、不敵な笑みを浮かべたままで。
あたしは、ただただ放心状態で。
あたし今、キスされた? だって、会ってまだ10分と経ってないんだよ? そんな子と、キス、したの――?
自分の唇を触って、感触を確かめる。
確かに、今あたしの唇に触れたものがある。
男の子のほうを見ると、そこには口を押さえて肩を震わせる彼がいて。
笑ってるな、こいつ……。
あたしは我慢できなくなって、彼に向かって口を開いた。
「あんた、一体なに!? なんでキスしたの? で、なんで笑ってるの?」
「あんたが邪魔したから。これ以外に理由あるかよ。俺はあんたに、少しお仕置きしただけ。それに俺は、あんたじゃなくてユウト!!」
「ユウ……ト?」
「そっ。悠遠に斗で、悠斗」
悠斗は、部屋に置かれたテーブルに腰をかけ、そこに置いてあったペットボトルの水を飲みながら言う。
いや、自己紹介されても……。
よく見ると悠斗は、可愛らしい顔つきをしていた。黒に見える髪色は、少し茶色も入っていた。目は澄んでいて、睫毛も長い。例えるなら、子犬、みたいな……。
それなりに整った顔をしてるんだなぁと思い、ついつい自分が置かれている立場を忘れた。
「じゃなくて、なんでここで女の子とキスしてたの? だってここ、生徒会室だよね? そういうことやるところじゃないでしょ? しかも、あたしにキスする必要もないし……」
あたしがそう言うと、彼は首を傾げて、まるで「なんのこと?」と言いたげな顔をする。
うっ……可愛い。可愛すぎる……! ずるいなぁ、こいつ……。
男の子は相変わらず、不敵な笑みを浮かべたままで。
あたしは、ただただ放心状態で。
あたし今、キスされた? だって、会ってまだ10分と経ってないんだよ? そんな子と、キス、したの――?
自分の唇を触って、感触を確かめる。
確かに、今あたしの唇に触れたものがある。
男の子のほうを見ると、そこには口を押さえて肩を震わせる彼がいて。
笑ってるな、こいつ……。
あたしは我慢できなくなって、彼に向かって口を開いた。
「あんた、一体なに!? なんでキスしたの? で、なんで笑ってるの?」
「あんたが邪魔したから。これ以外に理由あるかよ。俺はあんたに、少しお仕置きしただけ。それに俺は、あんたじゃなくてユウト!!」
「ユウ……ト?」
「そっ。悠遠に斗で、悠斗」
悠斗は、部屋に置かれたテーブルに腰をかけ、そこに置いてあったペットボトルの水を飲みながら言う。
いや、自己紹介されても……。
よく見ると悠斗は、可愛らしい顔つきをしていた。黒に見える髪色は、少し茶色も入っていた。目は澄んでいて、睫毛も長い。例えるなら、子犬、みたいな……。
それなりに整った顔をしてるんだなぁと思い、ついつい自分が置かれている立場を忘れた。
「じゃなくて、なんでここで女の子とキスしてたの? だってここ、生徒会室だよね? そういうことやるところじゃないでしょ? しかも、あたしにキスする必要もないし……」
あたしがそう言うと、彼は首を傾げて、まるで「なんのこと?」と言いたげな顔をする。
うっ……可愛い。可愛すぎる……! ずるいなぁ、こいつ……。