龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】

少し用事があるから二時間くらい後に部屋に来るようにって圭吾さんに言われた。


時間が遅いので、明日の学校の準備を終えてから三階に上がった。

ドアは開いていて、入口から『圭吾さん』って声をかける。


返事はない。


わたしは中に入ってドアを閉めた。


圭吾さんの仕事部屋のドアが開いている。

入り口から中をのぞくと圭吾さんが机にひじをついて、片手で顎を支えながら考え事をしている。


きれいな横顔


圭吾さんの笑顔が見たいな


「圭吾さん」

小さな声で呼ぶ。


圭吾さんがわたしの方を見て


口元がゆっくりほころんでいく


「おいで志鶴」


わたしは圭吾さんのそばまで行くと首に抱きついた。


「大好き」


圭吾さんはわたしの体を抱きしめた後、ひょいっと膝の上に座らせた。

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