龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
「人騒がせなお姫様」

圭吾さんはわたしの鼻をつまんで言った。

「で、どうしてお父さんの仕事仲間に会いたくなったんだい?」


「親父と連絡がとれないの。かれこれ二週間。心配しすぎだとは思うんだけど……」


「その人なら何か分かるの?」


「その人達よ。表立った連絡ルートが使えなくても、裏のルートがあるって聞いた事あるの」


わたしは村瀬さんと山口さんの名刺を圭吾さんに見せた。


「これ、データースキャンしてもいい?」

圭吾さんが言う。


「どうぞ」


圭吾さんは名刺を何かの機械に通した。


「そして――と、来月の連休は?
 土日月――三連休だね」


「金曜日が臨時休校なの」


「うーん、じゃ木曜日に学校が終わってから出発しよう。家の鍵は持っているんだね?」


「うん」


「それまでにお父さんから連絡があっても行くかい?」


「行きたいな。圭吾さんさえよければ」


「かまわないよ」

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