使者の黙示録
「シスター!」


その声に、シスター・マヤとメグが振り向く。


「…体には気をつけて」

「はい。お気遣い、ありがとうございます」


そういう言葉を残して、立ち去って行くシスター・マヤの後ろ姿を

占い師の女性は、悲しみをたたえた目で見送りながら想うのだった。


(無事なら良いのだが)


彼女だけが知っている。


(本人の前では、とても言えない)


シスター・マヤには

死線が迫っていることを。

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