使者の黙示録
(ダ、ダメッ!)


シスター・マヤは、もはや形を成していない女神の像へ振り向き、素早く正座すると

両手を組んで、必死の想いで神に祈った。


(神様、お願いです、世界中で起きている災害を鎮めてください!)


そのために、神様

私の命をお使いくださいっ!


シスター・マヤは、いま世界中を襲っている災害が鎮まり、多くの人々が救われるのであれば

自分は命を失ってもかまわないと、本気でそう思った。


すると


「シスター!」


シスター・マヤの背後で、叫ぶような声が響く。

彼女が振り返ると、そこには団司が立っていた。

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