あやとり

アシェラ



文化祭は今週末だ。

教室の後方に当日の飾り付け用のパーツがその存在をアピールするかのように増殖している。

占いのコーナーだけにしてはかなりの懲りようだ。

神秘的なイメージを大切にしたいと張り切って語っている準備組の熱の入り方を、覚めた目で見る者もいれば、協力しようと放課後残って手伝っている者もいた。

意外だったのは、甲斐君が手伝っている者側の人間だったこと。

それを知った千春もその日の放課後から手伝い始めた。

久しぶりに直哉と約束をしていた私は、翌日の飾り付けでこの時ぞとばかりに、青春ごっこをしているようなクラスメイトたちを横目で見ながら教室を出て行った。

 いつも私のほうから直哉にメールを入れることが多いのだが、今回は珍しく直哉のほうからメールが入った。 
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