会いたい
幽霊、現る
「きゃ―――――っ!!」
とうとう堪えきれずにぐずぐずと泣きながら薄の生えた原っぱを通り抜ける頃、凄まじい金切り声が50mほど先の塀の中から聞こえてきた。
あの空き家だ!!
私はにじんでいた涙をぬぐうとすぐに門へと急いだ。五、六人の制服を来た高校生の女の子たちが中から飛びだしてきた。
「どうしたの!?」
私はその子達にかけよった。泣いている子もいる。
「ででででたのっ!! お、おばけよ!!」
一人が叫んだ。
「どこに!?」
やっとでたのだ!
「に、二階の奥!!」
それだけ言うと、彼女らは一目散に逃げていった。