会いたい
どうやら遊び半分で来たらしい。
そこで本物を見つけて、予想外の出来事に慌てたというわけか。
でも、あんな関係もない子供の前に現れて、なぜ私の前には出てこないのだ。あの薄情者は!?
憤りを感じつつも、私は中へと入る。
土足のまま階段を上って、開いたままの奥の部屋へと駆け込んだ。
この部屋は、透の部屋だったのだ。
「とおる!!」
確信を持って、私は叫んでいた。
そして懐かしい姿を探した。
だが、まっすぐに私の視界に飛び込んできたのは。
「――?」
透とはまったく違う、黒ずくめで長身の、本当に若い幽霊だったのだ――