ご奉仕ワーリィ
悶々たる愛情表現


(一)


夜になり、一日の疲れがどっと出てきた気がした。八割方はあの銀バエのせいだ、絶対。


寝る前に日課たるハーブティーをカップ一杯飲み干して、私は横になった。


「はあ……」


息を吐いて、目を瞑る。瞼裏には、昼間の彼の顔だ。


かっこ良かったなぁ。結果的にはフィスト王に負けたけど、それでも私の想いは彼にしかない。


男性の戦う姿はいい。かっこ良さが際立つような、いつにも増して、勇ましさがプラスされたので、私は改めて彼に見惚れてしまう。


「……」


冷たいベッドの中、隣にいないあの人を思う。


今日も来てくれないかなぁと、淡い期待を持ってしまった。


毎日だ、毎日同じことを思って、彼がいるといないとで心が大きく揺るがされる。


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