威鶴の瞳

あくまでバイト



「奪還完了しましたー」

「金くれ金!五万!」



BOMBの事務所に着き、開口一番にそう言う俺達にふり返り、ため息を吐く女。



「……問題児が帰って来た。 管理、竹原叶香からの報酬金、用意して!」



後ろで作業をしている 管理の女たちに命令する。

そして俺たちに向き直る、女。



「お疲れ、威鶴、トーマ。どうだった?」



いつも通りの質問に、俺はいつもとは少し違う答えをする。



「少し面白い事にしてきた」

「へぇ、珍しいじゃない。いつもは『問題なく遂行した』って言うのにね」

「俺もあれはあれで面白かったな」



そう言うトーマに、女は言う。



「アンタは暴れられればいつでも面白いでしょう?」

「ちげーよ、いや、あながち違くもないけど……別な意味もあってな」

< 27 / 500 >

この作品をシェア

pagetop