身代わり王女に花嫁教育、始めます!
リーンの額に汗が浮かぶ。


ふいに、テントの中が息苦しく思える。吸い込む空気がやけに熱かった。


カリムは居住まいを正して再び命じた。


「どうしたのだ? ひとりでは脱げないと言うのか? ならば、私が手を貸してやろう」

「そんな……王が、妻になる女を側近に与えるなど……考えられません! 何かの間違いです。陛下にお会いするまでそんなこと」


立ち上がり近づいてくるカリムにリーンは叫ぶ。


(少し時間ができたと喜んだばかりなのに。ちょっときれいだからって、こんな男に見惚れるんじゃなかった)


王の考えはわからないが、リーンに逃げ場などない。


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