Welcome to the world
第二章‐文化部‐
退屈は平和だ。僕はそう思う。何にも関わらず、日常を送る。それが日常だからこそ、退屈に感じるだけで。
だが、僕以上に時間を持て余す少女が居た。華蝶鈴だ。彼女は余りにも退屈していた。良くない、非常に好くない。彼女には悪癖がある。一度退屈に溺れると、何もしなくなる。ソファーに寝転び、チョコレートを齧り、眠る。

異常なまでに、彼女は退屈を嫌い、と同時に全うしていた。

鈴が何もしないならば、この部屋を誰が管理するのか。それは、当然の様に僕の仕事になる。そんな訳で、現在進行形で掃除真っ最中。
客さえ来てくれれば……そんな僕の願いが届いたのか、ちょいと面倒な客が来てしまった。
< 12 / 20 >

この作品をシェア

pagetop