愛と欲望の螺旋(仮)
選考委員会?
あれから、ひたすら湊さんには謝られたけど。
半径2メートル以内は近づくなって、強く念を押した。
黒崎も毎日帰ってくるけど。
ただ、仕事の進み具合とか。
今日のご飯はどうだとか。
そういう会話しかしていない。
「本当に、急で申し訳なかった。」
そう言いながら、黒崎が帰って来た。
「大丈夫です。そんなに量はないですから。」
パソコンの画面を指差した。
「華組の追加公演用の特別本、まさかのあさって締め切りを忘れていた。」
ハアッと深いため息をついた。
「もう、完成しますよ?」
ほほ笑みながら、肩を落とした黒崎の顔を見た。
「早いな…」
少し驚きながら、開いたパソコン画面を見つめた。