愛と欲望の螺旋(仮)
どこかの出版社で編集者になれれば、って思っていたくらいで。
まさか、SKSで働けるなんて想像したことすらなかったのに。
このチャンス。
逃していいの?
「……その間の身の安全は?」
恐る恐る、聞いてみた。
そこが問題一番の問題だもん。
SKSは美味しい話だけど。
身の危険を負ってまで、受けるような神経のずぶとさを持ち合わせていないから。
「絶対にお約束します。オレがいることで気を使わせていたり、怖い思いをさせてしまうと思っていたのですが、今度から、オレが守りますから。」
私の目を見る黒崎の目の中に。
ウソや偽りなんてない。
ただ、まっすぐに。
曇りもけがれもなく。
透き通った真剣な眼差しだけがあった。
「……絶対ですよ?」
その真剣な眼差しの中に。
もう一度、確認をした。
「はい。」
瞳の中は変わることなく真剣なまま。
小さくうなずきながら。
優しくほほ笑んだ。