海の花は雪
「飲み物、勝手に入れておいたよ?時間がないから行きながら食べて、深谷君」

ハルはサンドイッチを口に押し込みながら、すでに学校へ行く準備をすませると、玄関でクツをはいている所だった。

「山形さん、鍵ここに置いておきますから、後よろしくお願いします」

いまだにベッドで一人寝ている山形さんに向かって、ハルが大きな声で話しかけた。

「う〜〜ん…」

「それから朝食、冷蔵庫にありますから好きに食べて下さいね〜じゃ、行って来ます」

「お〜ありがと…行ってらっさい…」

「行こっか、深谷君」

「うん…」

けだるい空気を破るように扉が開かれた。

勢い良く走り出した自転車の後ろの座席に座って、自分はハルが作ってくれた朝食を食べながら、学校に向かった。



「…ハル…昨日、夢見た?」

住宅街を抜けて海岸線に出ると、爽やかな風が自分達の後ろから追い風になって、自転車のスピードを加速させた。
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