アドラーキャット









「みずき先輩何食べてるんですかー?」

「んー、チョコ。荻野目くんから貰ったの」

「……へー」

「親戚から貰ったらしいんだけどいらないからってくれたー」

「良かったですねー」





「みずき先輩、そのカーディガン綺麗な色ですね。誰かに選んでもらったんですか?」

「……何で私が選んだって考えないのさ。まぁ、選んだのは私じゃないけど。」


「ですよね。みずき先輩がこんな品の良いもの選ぶはずないですし。センス良すぎます。」

「ん?ん?私は今喧嘩売られてるのかな?」

「で、そのカーディガンはどうしたんですか?」

「荻野目くんがくれた。お母さんが買った福袋に入ってたらしくて。お母さんが着るにはちょっと若すぎるって。」

「……へー」



「……先輩、それ」

「あ、祐介くんも食べる?荻野目くんから貰ったの」

「いや、俺はいいです」

「そっかー。ケーキ嫌い?」

「好きですよ。でも今お腹いっぱいなんで。」







「荻野目さー、」

「ん?何?」

「付き合ったのってみずき先輩が初めてだよな?」

「そうだけど」

「……荻野目って貢いでるよなー」

「……」

「おい逃げんな」




老舗の高級チョコレート、エルフローレンの新作カーディガン、最近開店したばかりの人気ケーキ屋のケーキ



一応大事には、してる、らしい


「たまには愛情表現の仕方変えてみろよ」

「ゆうすけ、うるさい」




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