愛して

真実



side 博人

「あははっ、そんなこともあったなあ!」


監禁され始めの頃。
軽やかに笑う泪の姿が其処にはあって。
どうやら俺は知らないうち、昔にあったことを語り出していたらしい。首につけられた鎖が重い。
何故だ、何故、こんなことをするんだ?あんなにいい子だと思っていた泪が。どうして、俺を閉じ込めたりするんだ。
疑問が頭に幾つも浮かぶ。
昔のような明るく楽しそうな笑顔はもう其処にはなくて、酷く嫉妬と憎しみに満ちた笑みが其処にはあった。
ゾクリ、と肩が震える。


「……あ、その話だけどさあ。その子、今も行方不明なんでしょう?」


クスクスと笑いながら泪は問う。確かにそうなのだ。あの事件はこれまでずっと解決されておらず、その子は行方不明のままだ。
警察はその頃は必死に探し回っていたが、今はもう諦めているように見える。
が、しかし、何故そんな話題に食いついてきたのか。


「その子さあ……………、実は……」


嫌な予感がした。
もしかしてとんでもないことを言い出すんじゃないか。
そして…………。





「僕が、殺したんだよね」





その予感は見事に的中した____。
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