武士道セブンティーン!!

性悪男と養殖笑顔


“トンショ” とやらに着いた。何だかわりと普通の家だらしい。

門の所に掛けてあった表しきに、
『會津藩御預壬生浪士組屯所』と書いてあった。

なるほど、“屯所”ね。

永倉に胴に巻かれた縄(手首にも別に縛られた)を引っ張られながら、よたよた歩いた。

古い木の家。昔のあたしん家と似ている。ここまで大きくないが。

今はうちは中をリフォームして、外観とはかけ離れているけれど。


「土方さん、永倉だ」

やがてどこかの部屋の前に止まり、永倉が中へ声を掛けた。

入れ、とテノールボイスが聞こえた。

スッと襖を開けると、こちらを見る男が一人。


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