契約妻ですが、とろとろに愛されてます

吐き気

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それから一週間ほど経った。


時折、貧血状態はあるものの体調は良かった。病気は良くなっていると思っていた矢先 真夜中にあまりの気分の悪さに目が覚めた。


あれ……?なんだか気持ち悪い……。


隣を見ると琉聖さんはいなかった。


「……琉……聖……さん?」


この気分の悪さは覚えがある。会社で気分が悪くなった時のようだ。


吐き気がこみ上げて、私は急いで起き上がるとバスルームへ向かった。襲ってくる眩暈で足元がふらつく。やっとたどり着くと、胃の中のものを吐き出した。


ぐったりと洗面台の床に座り込み眩暈で動けないでいると、物音に気付いた琉聖さんが現れた。


「ゆず?」


床に座り込む私を見て琉聖さんが駆け寄ってくる。


「どうした!?貧血か!?」


「ちょっとだけ……」


吐いたと言えば、入院の騒ぎになるかもと首を振った。


琉聖さんはすぐに私を抱き上げてベッドに運んでくれた。


「吐いたのか?」


「吐いてない……ちょっと気分が悪くなっただけ……」


そう言うのが精一杯で、今はギュッと目を閉じて眩暈と戦っている。


少しして琉聖さんが戻って来て身体を起こされる。うっすらと目を開けると、封を切った薬を口の中に入れられ口移しで水を飲まされた。


翌朝、目を覚ました私は真夜中のような気分の悪さを感じなかった。ホッとして起き上がると、隣に琉聖さんはいなかった。


具合が悪かった真夜中にも琉聖さんはいなかった お仕事忙しいんだ。


起き上がると琉聖さんが入ってきた。いつものスーツ姿ではなく白いセーターにモスグリーンのズボンを穿いている。


「ゆず、気分はどうだ?」


「大丈夫 薬を飲み忘れたからいけなかったみたい」


にっこり琉聖さんに微笑むと、眉間に寄せていた皺が無くなった。


「良かった ちょっとでもおかしい所があったら言ってくれないか?」


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