契約妻ですが、とろとろに愛されてます

知らせ

琉聖Side


数日後、病室に小さくノックがあり、玲子が入って来た。


頼りの玲子を見ると、複雑な気持ちにいつもなる。最近の玲子は慎重に柚葉に接しているようだ。柚葉にはにこやかに接するが、俺と話をする時は眉間に皺を寄せる。


そんな玲子がいつになく顔を嬉しそうにほころばせている。


「玲子?」


淡い期待が胸を突く。


「琉聖さんっ!ドナーが見つかったのよ!」


彼女はもったいぶらずにこの朗報をすぐに伝えてくれた。


「本当なのか!?」


「ええ、私も信じられなくて、何度も何度も確かめたわ!柚葉さんは助かるのよ!」


信じられない吉報に俺達は嬉しさに同志のように抱き合った。


生きていてこんなに嬉しかったことはない。


俺は全身の力が無くなっていく脱力感に襲われた。


安堵したせいだ。


「柚葉は助かる……良かった……」


俺は男泣きをしそうだった。


「あとは拒絶反応を起こさなければ、柚葉さんは健康な身体になるわ」


拒絶反応と聞いて高潮した気分が台無しになった。


そうだった……骨髄が見つかっても拒絶反応を起こせば柚葉の命はない……。


しかし、このチャンスにかけなくてはならない。


俺は祈るような気持ちで眠る柚葉を見つめた。

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