性犯罪をテーマにしたこの作品。
心に深い傷を負った大翔と美玲が出会ったことにより、物語が少しずつ動き出すーー
重い設定ながら、作中では登場人物たちの心情が丁寧に描写されており、様々な感情が読む者にも伝わってきました。
ラストは、美玲の前から大翔が消えます。
そこで思い出されるのがこの言葉。
ー羽ばたいてー
過去にとらわれていた大翔は、美玲と出会ったことで過去に向き合い、止まっていた時間が動き出した。
美玲もまた、羽ばたくことを決意した。
今度は自分の番。
二人は本当の意味で、前を向いてこれからの人生を進んでいくのだろうと思える終わりかたでした。
私は上記のように感じましたが、読む者によってはまた違う感情を抱ける作品だと思います。
一度読んでみることをオススメしたいです。