身代わり姫君の異世界恋綺譚
第二章

物の怪

◇◆◇

真白は目を覚ました。そして横に眠る紫鬼にギョッとなる。

自分がいつ寝たのかさえも覚えていない。

紫鬼は目を閉じていて眠っているようだった。

真白は昨晩の事を考えた。

――あ……。

昨日の事を思い出した。

――うっすらだが清雅がやって来て……何かを言った……う~。なんだっけ……そうだ! あそびめだ。あそびめって何……?

考えていると、紫鬼の目が開いて真白を見ていた。

「調子が良くなったようだな」

紫鬼の顔が近すぎるくらい近くて、真白の心臓をドキドキと高鳴らせる。

真白の顔が赤くなった。

「紫鬼、ありがとう。なんだか身体が前よりも軽くなったみたい」

恥ずかしさを隠し、真白ははにかんだ笑顔を紫鬼に向けた。

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