書くの神
それはリアクション芸人よりも


だから書いた。

あの時の情熱に背を押され、それでいて工夫も忘れない。

文字を詰めては敬遠される。小刻みな改行を心がけた。なにせ、読者の大半は10代だ。文字が嫌いな若者なのだ。

ひらがなを多く用いて、小難しい表現をさけた。

そうまで携帯小説に合わせて書いたのに、全くもって読まれない。

それはなぜか?

答えは簡単。

私の書いている小説は、ホラーだからだ。ホラーは読まれない。読みやすさ云々の問題ではなく、ここはお花畑の世界。

血は不釣り合いなのだ。

それなら、と、桃色の園に見切りをつけた。携帯小説のサイトなど山ほどあろう。早速、ホラーが受け入れやすいサイトで書き始めたが、即座に断念。

か、書きにくい…。

原稿用紙なら土壌は同じだが、携帯という決められた枠内では、そうもいかない。色々と試したが、結局、出戻った。

となると。

書かねばならない。

この土俵で勝負ができる話を。


< 9 / 21 >

この作品をシェア

pagetop