書くの神


「なんじゃこりゃー⁉」

ピンクの画面に向かって叫ぶ。

これはまるで、少女漫画の世界。

俺様?

お一人様の男バージョンかしら?

先生?

先生ってあんた、生徒に手を出していいわけ?

クビになるし。

第一、保護者が黙ってないんじゃ?

それならまだモンスターペアレンツのが現実味があるわ。

ヤンキー?

世のヤンキーってのは、早いうちに改心して、あったかい家庭を持つのよ。

だいたいヤンキーってダサいわよ?

腐女子にBL?

ツンデレ?ヤンデレ?

あゝ、もう頭が…。

私はソッと携帯を閉じた。

ムリだわ。

私には、ついていけない。

この熱気にクラクラするわ。

ここは私がいるべき世界じゃない。

それなのに。

それなのに、私は書き始めた。

読むどころか、また書き始めたんだ。

それは過信から始まった。

この程度なら。

私のほうが。

これが本になるくらいなら。

私の夢は叶うんじゃないか。

諦め、忘れていた夢が…。


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