猫被り王子は私の彼氏!!♡
雨のち晴れ








「ごめんね。私、簡単に信じてしまって…」







後少しの帰り道。





私は隣を歩く優に全てを話した。







「ほんとバカだな。俺が他の奴と

キスするわけないじゃん。簡単に

騙されてんじゃねーよ」






「そうだよね…」





…ん?





いやちょっと待った。



今回の件はさ、優が女の子と

日頃からベタベタしてなかったら

始めから疑わなかった訳じゃん?







そうだよ。疑われる優も悪い。






この際だから嫌な事はっきり

言っちゃえ!







「優さ、最近ってゆうか前から

女の子とベタベタしすぎじゃない?」






「え?普通じゃね?小学生の時から

あんな感じだよ俺」







何を今更って感じで優がつぶやく。








「知ってるよ。そのたび私、

妬いてるんだよ?」







沢山妬いて辛かったけど、

でもずっと我慢してた。







「妬いてたの?舞」 






優は私の顔を覗き込んで

心配そうに見つめてくるけど

目は笑ってるように見えた。






コイツ楽しんでやがる…








「そうだよ!妬いてるよ!!

気づかなかった?バカだね!!」







私は思いっきり叫んだ後

優を置いて走った。








でも凄く嬉しかったよ。






あの地獄から私以外に見せないって

決めてた裏の顔を竹田くんに平気で見せて

私を助けてくれて。







ぎゅっ







後ろから優が追いかけてきて

私を抱きしめた。








「でも俺の事好きだろ?」








ずるい。分かってるくせに。






「大好きだよ。ばーか!」








いっぱいいっぱい苦しんで

でもそれ以上のいっぱいいっぱいの

喜びがある。






優がいつも隣にいてくれるだけで

幸せでそれ以上欲しいものなんてない。









その幸せは私の我慢の上にあるもの。






でも我慢って名前がつくものは

大抵我慢出来ることだから

それならいつまでも我慢してあげるよ!









だからそれ以上の愛を頂戴ね!






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