2・5次元の彼女
第3章 君の幸せを願えない
***第3章***



――すごく気に入りましたよ。素敵です――

自分が選んだ服に、景斗がそう言ってくれたことが嬉しかった。
景斗の喜ぶ顔を見て、ついつい私も怒りを忘れて喜んでしまった。

それに
あの日は、私のイメージ通りの景斗だった。
少しだけホッとした。

仕事終わりの居酒屋で、本当は景斗に文句のひとつでも言ってやろうと思っていたのだけど
真摯に頭を下げる彼の姿を見ていたら、そんな気も萎えてしまった。

それどころか、景斗なんかに恋愛相談をしてしまって。
彼に弱いところを見せてしまった自分が、今さらながらに恥ずかしい。

だが、そのおかげでHARUとの次の約束を取り付けることができた。

景斗のフォローのおかげだ。
グッジョブ! 景斗!
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