カッコイイオトコ
6.実はいい人でした
歪んだ顔でポロポロ涙を流す私を見て、ハルヒコくんはゆっくりとしゃがんで目線を合わせてくれた。

「大丈夫ですか?」

「は、はい……」

ああ、きっと凄い顔をしてる。

こんな顔見せたくないなぁと思って、少し俯いた。

でも……逢えて嬉しい……。

泣きながらもトキメク私の心は、徐々に心地良い音を響かせ始める。

ハルヒコくん……私……。



「大丈夫か、オイ!」



ちょっぴり2人だけの世界に飛んでいた頭が、低いダミ声に打ち崩された。

「すまねぇな、オイ! お嬢ちゃん小さくて見えなかったわ!」

私にぶつかってきた黒豚さん……ハッ、いやいや、少し太ったお兄さんが丸眼鏡をはずしてしゃがみ込んだ。

あ……目が小さくてカワイイ……。

パッと見怖そうだけど、良く見ると人の良さそうな優しい目をしていた。

「怪我はないかい、お嬢ちゃん?」

「あ、はい、あの……」

チラ、と右足首を見る。

うわわ、みるみる腫れてきてる!

サンダルのストラップが真っ赤な足に食い込んでるぅ~!

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